Young Person guide to Bell Antique VOL.1 POPOL VHU / ポポル・ヴー


 ポポル・ヴーの作品群がデジ・パック使用、そして、充実したボーナス・トラックを加え続々と再発されている、この機会に是非孤高のヴー・サウンドを紹介しておきたい。
 ポポル・ヴーは時期によって手法こそ異なるが、その根底はリーダー、フローリアン・フリッケの自然/宗教観があり、そのサウンドはは自然/生命への賛歌として響く。初期その世界観はフローリアンのアナログ・シンセサイザーとパーカッションで、ディープに描かれ、エレクトロニクスを離れた後は、韓国人ソプラノ・シンガー、デュヨン・ユンの聖歌のようなコーラス、コニー・ファイト(ギラの名ギターリスト)のたゆたうギター、オーボエ、フリッケのピアノの響きに宿りそして、ダニエル・フィッヒェルシャーの持ち込んだロック的なダイナミックさに象徴されていく。
 意外と語られることがない気がするが、フリッケはジャーマン・ロック史上においてムーグ・シンセサイザーを持ち込んだパイオニア的な存在である。かの、クラウス・シュルツェのムーグ・シンセサイザーはフリッケから購入したという事実もある。初期エレクトロニクスとパーカッションを中心に作られた2枚のアルバムは、現在のテクノ・、エレクトロニカ、エクルペリメンタル音響作品、アンビエント等との元祖として類似点を指摘できるが、しかし、どれからもすり抜けてしまう世界観と完成度を持っており、90年代半ば数多くのジャーマン・ロックの偉人たちがエレクトロニクスとロックの関連で紹介され再び評価されたのにかかわらず、このポポル・ヴーがどうも取り残されていた気がして悔やまれる。しかし、エレクトロニクスへ経て、アコースティック志向を強めたその背後にあるコンセプト、そのサウンドはスピリチュアル、オーガニックと言ってもしっくりくるもので祝祭感や、生命力に溢れている。それは、テクノ・エレクトロニクス以降の大きな流れとも共振しているように感じられ、ヴー・サウンドは今でも輝きを増している事を実感することができる。

MAR 04925
■ポポル・ヴー
猿の時代

POPOL VUH
Affenstunde
2004.07.25
3,000/2,857
解説付


'71年作
エレクトロニクスとパーカッションで神秘なる自然を描写したディープな音響作品。その恐ろしいまでに昇華した感性は群を抜いた完成度を誇りる。


曲目
1.私は鏡を創る−夢 パート4 2.私は鏡を創る−夢 パート5 3.私は鏡を創る−夢 パート49 4.猿の時代5.時を行く列車(ボーナス・トラック

MAR 04973
■ポポル・ヴー
ファラオの庭にて
POPOL VUH
In Den Garten Pharaos
2004.11.25
3,000/2,857
解説付 




'72年作
フローリアン・フリッケがシンセサイザーをメインに使用した最後の作品。夜の湖畔に訪れる、不安、神秘、そして孤独感。自然と超自然が混在する、この独特のエレクトロニクス空間をして、フリッケは孤高の高みに上り詰めた。ボーナス・トラック2曲(20分)収録!

曲目
1.ファラオの庭にて 2.ヴー 3.KHA-ホワイト・ストラクチャーズ1(ボーナス・トラック) 4.KHA-ホワイト・ストラクチャーズ2(ボーナス・トラック)

MAR 04974
■ポポル・ヴー
ホシアナ・マントラ
POPOL VUH
Hosianna Mantra
2004.11.25
3,000/2,857
解説付


'72年作
フリッケがエレクトロニクスを捨てた後に生み出されたサード。アカデミズムやヒエラルキーに一切とらわれることのない教会音楽があるとすれば、それがすなわちこのポポル・ヴーの音楽である。ボーナス・トラック収録!

曲目
1.アー! 2.キリエ 3.ホシアナ・マントラ 第五のモーゼ書 4.別離 5.祝福 6.礼拝 7.天はそこに 8.礼拝9.アヴェ・マリア(ボーナス・トラック)

MAR 04926
■ポポル・ヴー
アギーレ/神の怒り
POPOL VUH
Aguirre

2004.07.25
2,857/3,000円(税込み)
解説付


'72年作 '76年発売
ヘルツォーク監督の映画「アギーレ/神の怒り」のサウンドトラックとして制作された作品。エレクトロニクスによって描かれる叙景的描写はさらなる完成度を得た。初のオリジナル音源での再発に当時のアウト・テイクスを加えた歴史的なCD化!


 曲目
1.アギーレ I 2.朝の挨拶 II 3.アギーレ II 4.アニュス・デイ 5.写実 6.アギーレ III(ボーナス・トラック)

MAR 04975
■ポポル・ヴー
聖なる賛美(山上の垂訓)
POPOL VUH
Seligpreisung
2004.11.25
3,000/2,857
解説付




’73年
前作「ホシアナ・マントラ」と同傾向の作品。全8曲からなる小品集。新たにギターとドラムスをこなすダニエル・フィッヒェルシャーが加入して新しいムードを創り出している。ボーナス・トラック収録。

 曲目
1.飢え渇いている者は幸いなり 2.ハシドの踊り 3.悲しむ者は幸いなり 4.貧しさを受け入れる者は幸いなり5.悲しみを運ぶ者はは幸いなり6.柔和な者は幸いなり 7.心清き者は幸いなり 8.はい、彼等は神の子と、となえられるであろう 9.ビー・イン・ラヴ(ボーナス・トラック)
MAR 04927
■ポポル・ヴー
一人の狩人と七人の狩人
POPOL VUH
EINSJAGER &SIEBENJAGER

2004.07.25
3,000円(税込み)
解説付


'75年
新ギターリスト兼ドラマーとしてダニエル・フィッヒェルシャーを迎えた「聖なる賛美(山上の垂訓)」「一人の狩人と七人の狩人」は、ロック的なダイナミズムが導入され、力強さや、祝祭感が高まったポポルブー的賛歌。


 曲目
1.小さな戦士 2.ミノス王 3.朝の挨拶 4.サイコロ賭博 5.肥沃な土地 6.一人の狩人と七人の狩人 7.ミノス王 II(ボーナス・トラック) 8.あなたは何処?(ボーナス・トラック)

MAR 04976
■ポポル・ヴー
ノスフェラトゥ
POPOL VUH
Nosferatu
2004.11.25
3,000/2,857
2in1
解説付 


'78年作
ヘルツォークの同名の映画のサウンド・トラック・アルバムであるが、「Bruder Des Schattens・・・」として出されたアルバムの音源(この中からも映画使用の曲あり)にEGG盤のサウンド・トラックス音源を加えた65分にも及ぶ「ノスフェラトゥ完全版」とでも言うべき内容。

 
曲目
1.影の兄弟 2.勇気ある者は聞きなさい 3.罪の城 4.回心 5.マントラ 1 6.朝日 7.金星の法則 8.マントラ2 9.天の夜 10.あし笛の音 11.トゥ・ア・リトル・ウェイ 12.スルー・ペイン・トゥ・ヘヴン 13.オン・ザ・ウェイ 14.あし笛の対話

MAR 04977
■ポポル・ヴー
アガペー・神の愛
POPOL VUH
Agape Agape, Love Love
2004.11.25
3,000/2,857
解説付



'83年作
久しぶりにコニー・ファイトが加わって制作されたアルバム。静謐なイメージの作品で、ポポル・ヴーらしい、間合いを大切にした音創りが全編を支配している。ボーナス・トラック収録!


曲目
1.手に手をとって 2.彼等は踊り、笑った 3.愛、生命、死 4.キリストはそこに 5.ラヴ-ラヴ 6.見よ、羊飼いの集まりを 7.アガペー・アガペー8.何故に私は眠り続ける 9.サークルダンス(ボーナス・トラック)

MAR01628
■ギラ
/バーン・マイ・ハート・ウンデェッド・ニー
GILA 
Bury My Heart At Wonded Knee
3,000/2,
857
解説付


’73年
そして、関連作品としてこの一枚!ブーの初代ギターリスト・コニ-ファイトをリーダーとするギラ。ポポル・ヴーのメンバー、フローリアン・フリッケ、
ダニエル・フィッヒェルシャーが全面参加しており、正にホシアナ・マントラのロック的延長作、そしてアモンデュール2の兄弟作!?。ロック色を増しファィトの絡みつくようなエレクトリック・ギターも色彩感あふれるアコースティックの響きも堪能できる。ヴーの影に隠れたロックの名盤です!(女性ボーカル入り)