Alestorm

エイルストーム

 自称、トゥルー・スコティッシュ・パイレーツ・メタルと名乗っているエイルストームが8枚目のニューアルバムを引っさげて、とうとうMarquee Avalonに登場!2004年にスコットランドのパースで結成され、フォーク・メタルの要素を取り入れたパイレーツ・メタルを披露する彼らは唯一無二の存在だ。海賊、酒、冒険、戦いなどをテーマに、ユニークでふざけたスタイル(ライヴでは大きなアヒルを引き連れている)とユーモア溢れる歌詞はファンに絶大な支持を得ている。楽曲にはトランペット、トロンボーン、アコーディオン、シンセサイザー、フィドル、ティン・ホイッスル、ヴァイオリン、ヴィブラスラップ、キーター(ショルダーキーボード)などが用いられ、メンバーでの合唱は海賊らしさや大海原の壮大さ、パイレーツ・シャンティの雰囲気が表現されている。 初来日は2014年。その後は2019年のEvoken Festでヘッドライナーだった彼らの日本での人気は絶大。2025年5月には3日間の来日公演が決まっている。使用している楽器自体がユニークな彼らだが、ライブパフォーマンスも大変ユニークであり、巨大なアヒルと大量の酒に舟漕ぎモッシュなど、ライヴの楽しさが凝縮されている。またフロントマンのクリストファーはヴォーカル兼キータリストであるが、スコットランドの民族衣装であるキルトを巻きキャップを被るという、見た目のインパクトも目に留まるイカした風貌でバンドの雰囲気を物語る。 今作も様々なゲストを招いてのアルバムとなっており、ヴァイオリンやトランペット、トロンボーンにハーディ・ガーディ、ヴィブラスラップなど、メタルバンドではなかなか使用しないような楽器を用いているのがエイルストームの面白さだ。ブックレットにはバナナ・ダイキリ(バナナを使用したカクテル)やボーンマス(イギリスの知名)というパートも記載されており、細かい部分でもユーモアのあるバンドである。そしてなんと、今作の4曲目に収録されているFrozen Piss 2では、日本語の歌詞を日本人歌手の佐々木詩織が歌っている。彼女はコーラスグループFujikochansとして、ルパン三世をはじめとする、大野雄二の作品に参加。その他にも、松任谷由実や井上陽水、KinKi Kids、Beverlyなど様々なアーティストのコーラスとして、ライブやレコーディングに参加している実力派の歌手である。(2025年6月3日更新 - アルバム『ザ・サンダーフィスト・クロニクルズ』について)