H.E.A.T

H.E.A.T(ヒート)

 スウェーディッシュ・メロディック・ロックの代表格、H.E.A.Tのお待ちかねの8枚目のアルバムが登場。結成時は20代前半であり、当時はメロディック・ハードのサウンドを鳴らす若手は珍しかったこともありバンドは大きな注目を集める。そんな彼らは2009年にLOUD PARKに出演し日本でも絶大な人気を得た!、、、のも束の間、なんと2010年にケニー・レクレモ(Vo)が脱退。その後、エリック・グロンウォール(Vo)が抜擢され、スウェーデンのトップバンド入りを果たすも、2013年にはデイヴ・ダロン(Gt)が脱退。デイヴの代わりに加入したエリック・リヴァース(Gt)も2016年に脱退。そしてデイヴ(Gt)が復帰する。2020年にはエリック(Vo)が脱退しケニー(Vo)が復帰するなど、紆余曲折あった彼らだが、10年ぶりにオリジナルメンバーが集結し、2022年には「フォース・マジュール」、そして8枚目のアルバムとなる今作「ウェルカム・トゥ・ザ・フューチャー」をリリースする。 18年目を迎えるH.E.A.Tだが、メンバーそれぞれの実力が各方面で認められ、ケニー(Vo)はトビアス・サメッツ率いるアヴァンタジアのニューアルバムにゲストヴォーカルとして参加、ジミー(Ba) はクリスチャン・フィール率いるジネーヴラに参加、ヨナ(Key)は自身のルーツであるパワー・メタルを追求するために立ち上げたニューホライゾンなど様々なプロジェクトで活躍している。そんな実力派の彼らが生み出すメロディーは80年代の雰囲気を残しながらも常に進化し続けている。(ちなみに、デイヴ・ダロン(Gt)は2022年の前回作から今作のアルバム発表までのいつの間にかにスカイ・デイヴィッズ(Gt)へとステージネームを変更。) 今作は80年代を思わせるような懐かしい雰囲気と近未来の融合をテーマにしたようなアルバムになっている。1曲目のDisasterは耳に残るキーボードから始まり、アップテンポで口ずさみたくなるキャッチーな曲だ。4曲目の渋いギターソロに重なる哀愁漂うシンセとケニーの語りかけるような歌声はグッとくるものがある。メロディック・ハード・ロック・ファンにはもちろん、幅広い層に対して響くような普遍的な魅力に溢れた名曲ぞろいのアルバムとなっている。(2025年3月31日更新 - アルバム『ウェルカム・トゥ・ザ・フューチャー』について)