Unleash The Archers

アンリーシュ・ジ・アーチャーズ

 女性ヴォーカル、ブリトニー・スレイズをフロントに擁する、カナダ出身のパワーメタル・バンド UNLEASH THE ARCHERS の通算6枚目となるスタジオ・アルバム。UNLEASH THE ARCHERS はブリトニーがドラマーのスコット・ブキャナンが同じ大学に在学中の 2007 年に結成したバンドである。2009 年にデビュー作「Behold the Devastation」をリリース。それはパワー・メタルやデス・メタルなど様々なジャンルを吸収した個性的な音楽性を披露した作品であり、将来バンドの成功を垣間見せるに十分なポテンシャルを持った作品であった。その後何度かメンバーチェンジを繰り返し、2011 年にグラント・トゥルーズデル、2013 年にアンドリュー・キングスレーが加入したことにより、現在のバンドの中核を担うメンバーが揃う。その後もバンドはアルバム・リリースとツアーを地道に続け、2015 年に海外の大手レーベル、ナパーム・レコーズと契約したことにより、よりワールドワイドなバンドへと進化していった。同時期には初来日公演も行い日本のファンを前にその確固たる実力を披露した。バンドとして増々の成長を見せる彼らがドロップする本最新作は、ブリトニーが AI に焦点を当てて考えたコンセプト・アルバムで、主人公のフェーズ 4 /ネットワーク Tier 0 ユニットであるモデル A のファントマが登場する物語。ディストピアの近未来の惑星地球で AI が知覚力を獲得する試練を語っている内容で、ヘヴィネス、パワーそしてメロディを併せ持つ強力かつ爽快な作品かつ、現時点でバンドの持てる力をすべて集めた総決算と言える作品である。そして極めつけの日本盤ボーナス・トラックには、なんとブリトニーが全編日本語で歌う「Ghost In The Mist」を収録。正に日本のファンの為だけに作られたバンドからの贈り物である。そしてこのバンドでは恒例となった、ミックスとマスタリングはヤコブ・ハンセンが担当。サウンドプロダクション面でも完璧な仕上がりを見せている。(2024年5月1日更新 - アルバム『ファントマ』について)